この世の人間には2種類しかいない。グリーストラップの掃除をする人、しない人。この2種類の人間しか存在しない。
飲食店におけるグリーストラップ清掃、また、浄化槽や下水の掃除、この仕事をしないで済むこの世の大半の人たちは幸福である。と思わざるを得ない。
すごいんだなー、これが。飲食店で初めて働いたときは、お客さんの使ったシルバーや食べ残しにさえ軽い吐き気を覚える思春期だったというのに、今では率先してドブさらいをする。
人々の楽しげな宴のあと、皿やシルバーは綺麗に洗われ、そのシンクの下では汚水がゴミと脂と水に分かれて踊っている。蓋を開ければ、悪臭がし、水で冷やされた脂が分厚い層をつくっている。慣れない人は顔をしかめ、吐き気を催すだろう。
しかし、わたしは、この世にこのような汚れが存在し、それに関われることを誇りに思う。
その元は、人を喜ばせる食卓の食べ物であったもの。それがこのように変質して、わたしに取り除かれるのを待ってる。
人々の愉しみの果てがこのような汚れであることに、憐れみと滑稽さを感じる。
この汚れた水から脂を掬い出すのも、今じゃゴム手袋さえしない。掬い網で汚水を濾してゴミ袋の中の丸めた新聞紙に吸わせる。その作業を10〜20分かけて続ける。
その間に、様々な思いが駆け巡るのだ。汚すしかできない人間の業を思い、この仕事をしないで済む人たちの幸福を思い、地獄で汚れ仕事を率先して受けて立つお地蔵さんの気持ちを思い、このような世界と秩序をつくりたもうた神を思い。。。
掃除は瞑想である。
ところで、厨房には、騙されたと思って買った活性水生成装置、といってもただ単に勢いよく空気を取り込んで回転させているだけの水道蛇口「カーツ」を取り付け、洗いものにも使っているが、これをつけてからというものの、グリーストラップの汚れ具合が見違えた。
そりゃゴミはある。脂も層をなしている。ただ、溜まった水に濁りがない。ゴミを取り除いてしまえば、すっきりキレイな水だ。そして悪臭がしない。
カーツをつけていないカウンター内のシンクは、グラス洗い専用で、油は一切流していないのに、こちらの方が臭うし、水も汚い。掬い網で掬うのは、煙草の灰らしき黒い水でしかないのだが、妙に粘度があって、いつまで経ってもキレイにならない。
この活性水装置の水は、こちらから何も言わないのにお客さんから「この水美味しいね」と言われたり、自分もこの水を飲んで満足していて、もう水を買うことをやめてしまった。
この水に挿した切り花は、平気で一週間は枯れずに咲く。
自宅の金魚たちは、カルキ抜きの錠剤など使わずこの水だけでめちゃくちゃ元気に泳いでいる。
風呂の水もカーツにしてから、温泉に行きたい欲求がめっきりなくなった。
数年前からお勧めしているが、不思議な装置なのである。
メンテナンスフリーで、一度つければ半永久的に使えるものなので、売り物としては儲からない商品であろう。ホームページもセンスがあるとは言えずやる気が見えないし、残念な感じだ。
でも社長の静かな情熱がわたしには伝わるし、商品には驚きの効果がたくさんある。
夏場のグリーストラップを見れば一目瞭然である。
世の中のすべての蛇口がカーツになれば、排水管もきれいだろう。川や海にも良い影響が出るかもしれない。
最近、うちの水を飲んで美味しいと驚かれ、この商品の話をしたら、早速自宅で使いますとお買いあげくださった方がいたので、再度カーツの素晴らしさを語らせていただきました。
カウンター内のシンクにもつけたいな。18900円也。
コメント