心温まる話

10日ほど前、お店のビルの階段を数段下りたところで視界に異物が映り、ぎょっと飛び上がったら、鳥の赤ちゃんが落ちていた。

「どうしたの〜?」と話しかけると、口をぱくぱく開けて、それは餌をもらうときのツバメの赤ちゃんのように。

すぐにB1のフジタさんに「ちょっとちょっと」と呼び出して、「どうしよう、ちょー可愛いんだけど。餌とかあげたいんだけど、なにかある?」「いやー。ないっす。スズメの赤ちゃんっすね、これ」なんてやってても垨があかなくて、わたしも準備があるのに時間ギリギリだったので、

「フジタさん、唐揚げにして食べちゃってよー」

なんて言いながら、あとは管理室に任せることにした。一応保護しましたので、という報告に安心して、日常生活に戻った。

翌日、金曜日に少し遅く出勤すると、アルバイト美穂ちゃんが、

「さっき管理室の方がいらして、あの鳥は今朝無事に飛び立ちましたと伝えてくださいって言われたんですけど、何のことですかって聞いたら、伝えればわかるって。。。」

ああ、その辺に打ち捨てられたわけじゃなかったのね、と管理室を見直していたら、深夜、ビルの専務が飲みにきた。

「あのスズメな。あんたが保護してくれって連絡してきたあのスズメ。あれからわしら水やったり飯粒やったりして散々世話焼いてな。

でも、わしや従業員が餌やっても食わない。

そしたら、うちの社長。あの女社長。あいつのやった飯粒は食うんじゃ。社長はもう夢中になって世話してな。社長が噛み砕いた飯粒しか食べないんだから。

わしもスズメが心配で会社に泊まったんだけど、寒くないか、暑くはないか、明るくないかって場所変えたり布かけたりしてな。

そしたら、いつも昼過ぎまで出社しないあの社長が、今日は朝7時に出て来たんだよ。スズメにエサやるっちゅうんで。女の母性本能っちゅうもんはすごいな。

で、社長が餌やって、窓際近くに置いておいたら、チュンチュンチュンチュン鳴くんだよ。チュンチュンチュンチュン。外に向かって。

そしたらな、そのうち、外からチュンチュンチュンチュン、なんと親が迎えにきたんじゃ!

しばらくチュンチュンチュンチュンお互い鳴いてな、それでな、一緒に飛び立って行ったんだよ!泰明小学校の方に。

スズメの親が、子供を迎えに来たんだよ!こんなことあるか?

あんたは、ほんとにウチに奇跡を持ってくる人だなぁ。」

以下×10回同じ話。

生き物の赤ちゃんって、なんであんなに可愛いんでしょうね。

以上、心温まるお話でした。

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました